資料

資料1
 日本弁護士連合会
 「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」
  http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2011/110121.html

◆資料
平成25年1月 「吉川市フッ化物応用協議会報告書」
http://www.city.yoshikawa.saitama.jp/index.cfm/24,29034,141,768,html

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
資料
平成15年吉川市水道水フッ化物添加検討部会報告書」   
  水道にフッ化物を添加することは時期尚早という結論でした
 以下全文を掲載しま
                             平成15年7月27日
吉川市水道運営委員会
会長 小山順子様
                                  吉川市水道水フッ化物添加検討部会

   水道水にフッ化物を添加することについて(報告)
 
 吉川市水道運営委員会より水道水にフッ化物を添加することについて、慎重に審議いたしました結果を報告いたします。

検討部会の位置付け
この検討部会は、水道水にフッ化物を添加することに関し、あらゆる調査研究を行うため、吉川市水道運営委員会に設置されたものです。

審議の経緯
 平成13年12月19日、吉川市水道運営委員会は、吉川市の水道水にフッ化物を添加することについて調査研究をおこなうため、吉川市水道水フッ化物添加検討部会(以下、検討部会と略す)
を設置し、市内公募および専門団体推薦委員の計20名の方に委嘱いたしました。

 検討部会は、部会長に秋本憲一氏、副部会長に豊田静男氏を選出し、以後の審議方法について協議いたしました。その結果、審議に先立って、フッ化物についての権威ある専門家を招いて講演・研修等を行うことになりました。

 はじめに日本大学松戸歯学部衛生学教授・小林清吾氏、次に元東京大学医学部・高橋こ晄正氏、最後に日本大学松戸歯学部薬理学教授・藤井彰氏がそれぞれの立場から講演をされました。専門家からの講義は5回に亘って催され、終了時に質疑応答を行うなど以後今日まで慎重審議を重ねた結果、検討部会として以下のような結論が得られましたのでので報告をいたします。
   
結論
 検討部会は専門家からの講義を踏まえ、水道水のフッ化物添加が、う蝕の予防に有効であるという認識を概ね得ましたが、安全性の面では共通の認識を得られませんでした。

 市民レベルでは水道水フッ化物添加についてほとんど周知がなく、今後市民の健康づくりのために、適切な情報提供を図りながら、市民とともに協議・研究を行っていくことが必要と考えます。

 厚生労働省は、自治体から技術的支援要請 があれば、住民等の理解等を前提に歯科保健の一環として支援するとの見解を出しておりますが、検討部会としては委員の共通認識をえられないことから、現段階として水道水にフッ化物を添加することについて時期尚早であると考えます。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆資料4
平成19年「フッ化物の応用に関する調査研究報告書」
 ※市職員(健康福祉部関係職員・健康増進課職員・政策室職員)からなる「フッ化物応    用研究会」による市長への報告です。
  “水道水フロリデーション実施の政策決定をすることが必要である” と報告にあります。
  以下全文を掲載します

    フッ化物の応用に関する調査研究報告書
                              平成19年3月30日
                                              フッ化物応用研究会
1 はじめに
口腔の健康は、全身の健康にも影響を与え、歯の喪失が少なく、よく噛めている人は生活の質および活動能力が高く、運動・視覚 機能に優れていることが、国の統計分析などからもあきらかにされている。
  
市民の健康の保持・増進に責任をもつ行政として、むし歯や歯周病などの歯科疾患の予防を、市の保健衛生政策に位置づけることは、非常に重要と考えられる。

 市では、過去において、吉川市水道運営委員会に検討部会を設置し、水道水にフッ化物を添加することに関し調査研究をおこなったが、水道水へのフッ化物添加がむし歯の予防に有効であることの認識が得られたものの、安全面での委員共通の認識が得られなかったため、実施には至らなかった経緯がある。
 
 今回、市民の健康づくりの視点から、フッ化物応用に関する基礎的な知識や、水道水フロリデーションの効果と安全性などについて調査研究を行うことを目的に、フッ化物応用研究会を立ち上げ、平成18年3月から平成18年3月まで、計11回にわたり研究協議を重ねた。研究会では、科学的見地から専門家による講義を受けたほか、水道水フロリデーション装置の見学などを行ってきた。

 これらの結果を踏まえ、歯科疾患を予防する具体的な方法として、フッ化物応用(特に水道水フロリデーション)の課題と対応について報告する。

2 吉川市の歯科保健の現状
 (1)歯科疾患の現状
  吉川市の歯科疾患の現状は、幼児健診における歯科健診では、平成17年度における1歳8か月児のむし歯罹患率は3.1%、むし歯数は一人平均0.12本であるのに対し、3歳4カ月児では28.7%、1.12本と大幅に増加している。乳歯のむし歯が永久歯のむし歯に関連することが言われていることからも、乳歯のむし歯を減らすことが重要である。

 学齢期では、平成18年度の学校定期健診において、小学1年生のむし歯罹患率は8.3%、むし歯本数は一人平均0.03本であるのに対し、永久歯がほぼ生え揃う中学1年生では、42.7%、1.12本とすでに半数近くがむし歯に罹患している状況にある。

 成人期においても、むし歯や歯周疾患により何らかの処置が必要な人は過半数を占めている。歯の喪失が10本以下であれば、食生活に大きな支障を生じないとの研究に基づき8020運動(80歳で自分の歯20本を維持しようという取り組み)が全国的に展開されているが、現実には、平成17年度歯科疾患実態調査では、80歳で20本以上歯がある人は21.1%となっており、残存歯数は増加傾向にあるものの、一人あたり現在指数は約10本という状況である。このことは吉川市でも大きな違いはないものと推察され「8020」の達成までにはかなりの時期を要すると思われ、8020達成には幼児期から老年期の生涯を通じた取り組みが必要になってくるといえる。

 また、乳幼児医療や吉川市国民健康保険においても、歯科疾患にかかる医療費は相当な額である。

平成17年度の乳幼児医療費支給実績を見ると、約1,000万円歳出のうち歯科医療にかかる費用8.9%となっている。

 国民健康保険における入院外の年齢階級別受診率では、5歳から99歳までのすべての年齢層で歯科疾患が上位5位までにはいっており、通院者率は第位となっている。

むし歯で歯を削ると、生涯治療を継続しなければならないことから、歯科疾患を予防することが、健康の維持、さらには医療費の抑制の面からも重要であることが理解できよう。

 (2)歯科保健事業
 吉川市においては、次のとおり歯科保健事業を行っている。

 ・乳児に対する歯科保健指導事業

 ・集団フッ素塗布

 ・母親学級(妊婦に対する歯科保健指導)

 ・1歳8か月児健診における歯科健診及び保健指導

 ・3歳4か月児健診における歯科健診及び保健指導  

 ・集団歯周疾患検診及び保健指導

 これらの歯科保健事業により、歯科保健の重要性についての普及啓発や、むし歯の早期対策への取り組みを行っているところであるが、まだ歯科予防の意識が低いことが課題である。

3 歯科保健におけるフッ化物応用について
(1)フッ化物とむし歯予防    
 フッ素は自然の状態で地球環境中に存在する元素である。マグマに由来し、火山活動の結果として地上に存在する。土の中、水の中、海の中、人の体の中にも含まれており、私たちが摂取する様々な 食品にフッ素が含まれている。人体を構成する元素としてフッ素は13番目に多く、歯や骨の正常な発育に必要な栄養素、必須微量元素14のうちの1つである。

 フッ素のむし歯予防効果は、半世紀以上前のアメリカで、動物実験でも試験管実験でもなく、人間自身を対象とした疫学調査から発見された。その研究の歴史は約100年前にさかのぼる。歴史の前半は過量なフッ素摂取による斑状歯を防ぐことに、後半は適量のフッ素摂取によるむし歯を防ぐことに心血が注がれた。そして、1ppm前後のフッ素を含む飲料水なら、審美的に問題となる斑状歯を発生させることなく、むし歯を半減させられるという新しいむし歯予防法が発見されたのである。

 フッ化物によるむし歯予防の作用には、局所作用と全身作用があるといわれている。

 局所作用は、歯の表面に作用して強化するもので、その応用例としては、フッ化物歯面塗布
フッ化物口、フッ化物配合歯磨剤などがある。

 全身作用は、血液を介して資質を強化するもので、その応用例としては、食塩・牛乳のフッ化物濃度調整やフッ化物錠剤、液材、そして水道水フロリデーションがある。

(2) 水道水フロリデーション
 水道水フロリデーションとは、水道水中のフッ素濃度を、むし歯予防効果が期待できる濃度に調整することである。フッ素が適量ならそのままで(天然フロリデーション)、過量の場合には除去するか希釈し、少量の場合には添加して利用する。

 水道水フロリデーションは数限りない研究結果から、効果と安全性が確立された公衆衛生的手段である。その上、簡便で経済的、他のフッ化物利用法にはない平等性と公平性を備えている。

 それゆえ、WHO(世界保健機関)は1969年(昭和44年)、第22回世界保健会議において加盟国の全会一致の決議で実施勧告を行った。このとき日本は決議案の提案国として賛成、WHOはこの後も1975年(昭和50年)再勧告、1978年(昭和53年)に再々勧告を行い、以来、先進国の多くの公的機関がずっと推奨し続けている。

 日本における水道水質基準としてのフッ化物イオン濃度は0.8ppmであり、厚生労働省においても自治体から水道水質基準内でのフッ化物添加についての技術支援要請があれば、水道事業者、水道利用者、地元歯科医師会等の理解等を前提に、支援する旨の見解が示されている。

 Murray(マーレィ  イギリスニューキャッスル大学教授)はせかい23か国から、水道水フロリデーションによる乳歯のむし歯予防効果66編、永久歯のむし歯予防効果86編に関する報告を収集し、国の違い、民族の違い、生活の違い、さらに、むし歯有病状況などの違いを超えて、水道水フロリデーションが現状のむし歯有病状況を半分以下にするという効果を確認している。

(3)公衆衛生としての水道水フロリデーション
 むし歯は人類が農耕を開始し、日常的にデンプンを摂取するようになって生じた疾患だと考えられている。光合成を行う植物には元々砂糖が含まれているが、中世において登場した砂糖の濃縮精製技術は、近代型むし歯を世界中に蔓延させる引き金になった。

 現代の米にも1粒あたり約0.1mgの砂糖が含まれ、食事のたびに歯の表面ではむし歯が発生している。このとき、わずかながらも常時口腔内にフッ素イオンが存在するだけで、むし歯発生が抑えられ、唾液によるむし歯修復が数倍促進されることが分かっている。

 砂糖の摂取制限や歯磨き、むし歯原因菌の除菌、さらにはフッ化物歯面塗布やフッ化物洗口といった予防法は、個人の努力に期待する方法であるだけに、個人差が生じやすいという欠点がある。

 一方公衆衛生施策におけるフッ化物利用なら、いかなる個人にも特別な努力を強いることなく、地域住民全体の健康格差を超越できるという利点があり、水道水フロリデーションは、全ての市民の生活環境を、むし歯になりにくくすることができる方法である。

4 水道水フロリデーションを進めるにあたっての課題と対応
 以上の検討結果から、水道水フロリデーションを吉川市の歯科保健政策に位置づけることは、市民の健康づくりの視点から重要と考えるが、実現に向けては以下のような課題と対応をさらに検討する必要がある。

(1) 政策決定と取り組み
 科学的根拠に基づき、歯科保健施策における水道水フロリデーションの意義や、有効性を理解した上で、市民の健康づくり施策の一環として取り組んでいくという、市としての政策決定をする必要がある。その上で、今後、市民の理解を得るためにどのように情報提供を行っていくのか、また、議会の同意を得るための方策をどうするのかなど、タイムスケジュールを含めて課題解決に向けた全庁的な取り組み方法を考えていかなければならない。

(2) 市民への周知と理解を得るための方策
 フッ化物歯面塗布やフッ素入り歯磨剤の利用など、フッ化物がむし歯予防に有効であることは、すでに市民には広く浸透しているが、水道水フロリデーションについては正しい情報が市民に行き渡っているとはいい難い。 

 そのため、広報やあらゆる事業の中で、水道水フロリデーションに対する正しい情報提供を行い、理解を深める方策が必要である。

 それには、医学的立場の専門家として歯科医師会をはじめ医師会、薬剤師会の協力も不可欠であることから、協力要請を行うことも必要であるが、吉川歯科医師会においてはすでに「全ての市民の生涯を通じた歯の健康づくりのため、専門団体として、あらゆるフッ化物応用を支援・協力する立場である」ことを表明している。

 このような専門団体だけでなく、関係機関を含めた「推進委員会」を構成するなどして、市民への周知や関係団体との連携、実施における技術的課題への対策など、水道水フロリデーション具体化に向けた取り組みを進める必要がある。

(3) 水道水フロリデーションに関する関係機関との調整   
 水道水フロリデーションは、水道水フロリデーション装置の設置やその後の維持管理などについて、水道事業に実施を委ねることになるため、水道課を含め全庁的に取り組む必要がある。

 また、実施する場合の設備や技術的な課題については、厚生労働省をはじめとする関係機関の協力を求める必要があると考えられる。これまで研究会の検討にあたって協力をいただいている日本大医学松戸歯学部の小林清吾教授の研究室が近くにあることから、官学連携事業として進めていくことも検討すべきであると考える。

5 まとめ
 以上のように、水道水フロリデーション実施にあたっての課題と対応について整理してきたが、水道水フロリデーションは、市民のむし歯予防から、歯科保健向上へと繋げるための有効な方法であることから、市の歯科保健政策に位置付けし、積極的に取り組んでいくことが肝要である。
 
今後、導入スケジュールや費用面などいくつか検討を要する事項も残されているが、実施の政策決定をすることが必要であることをもって、報告とするものである。      
   
 
    
   
      
 








0 件のコメント:

コメントを投稿