2015年6月26日金曜日

◆4月1日講演会「水道水にフッ素をいれないで!」 報告

エゴノキ 市内(保)で 5月

 4月1日、大竹財団さんの主催による秋庭賢司氏(日本フッ素研究会評議員 歯科医)の講演会「水道水にフッ素をいれないで!―吉川市民が拒否した水道水フッ素化とは何か―」が東京都京橋の大竹財団会議室にて開催されました。
演題に“吉川市の……” とあるのも興味深く、講演会に参加させていただきました。
 要約して報告します。

 ※大竹財団は平和や資源エネルギー、環境といった分野で活動する市民団体を支援する財団です。

(まだ書きかけです。続きは近日中に。すみません。)
◆はじめに 
 水道水フッ素化が自治体の首長選挙の争点になったのは、今回の吉川市で2度目です。
1度目は、2002年、 沖縄県久米島町です。町長選挙で水道水フッ素化導入反対をかかげた候補者が当選して、水道水フッ素化の導入は中止になりました。
  吉川市では2001年に水道水フッ素化が検討されましたが、このときは見送られました。ところが市内に熱心な方がいることもあって、2009年ごろから復活し、水道水フッ素化が推進されるようになりました。埼玉新聞によると今年2月の吉川市長選挙で、水道水フロリデーション(フッ素化)推進中止を公約にかかげた候補者の中原恵人氏が当選し ました。これにより今後推進は中止になることと思います。
 そのような中で、いま水道水フッ素化が一番話題になっているのは、神奈川県川崎市です。

◆水道水フッ素化ってどんなもの?
 ◇ 水道水フッ素化とはむし歯予防の目的で飲料水にフッ素化合物を添加することです。水道水フッ素化の濃度は0.7~1.2ppmです。
「水道水フッ化物添加」が本来の正式な名称です。それがいつからか「水道水フッ化物濃度調整法」と呼ばれるようになりました。これは本質をごまかした言い方です。

◇水道水フッ素化は1945年1月に米国で始まりました。第2次世界大戦の最中です。あとで説明しますが、フッ素は原爆開発のマンハッタン計画と密接な係りがあります。
 米国では、「水道水フッ素化は20世紀における公衆衛生の10大成功事業の一つ」と評価されていますが、実施した当初から大きな反対がありました。
フッ素は、米国では国策物質として考えられています。
また、フッ素はむし歯を予防するといわれますが、病的石灰化をもたらします。
「国策物質(米国)」であることと「病的石灰化」、これが水道水フッ素化とフッ素応用を考えるときのキーワードです。

◇ヨーロッパでは人口の約3%がフッ素化水道水を飲用しています。イギリス、スペインの一部およびアイルランドです。
アイルランドは、現在ヨーロッパにおいて水道水フッ素化を法律で強制している唯一の国です。しかし、昨年ダブリン市をはじめいくつかの市の委員会で水道水フッ素化を中止する決定がなされたので今後はやめる方向に進むと思われます。
 ベルギー、デンマーク、オランダ、オーストリアでは、フッ素は毒物という認識で、水道水に添加することを禁じています。
 イスラエルでは、1998年に水道水フッ素化を強制する法律ができましたが、昨年厚生大臣が「フッ素はからだに害がある。」ということで2014年8月26日にフッ素化禁止法をつくって、中止しました。
 このような流れの中にあって米国は特別です。米国では10数の州 で水道水フッ素化を法律で定め実施しています。
  日本ではかつて京都府山科(1952~1965)で水道水フッ素化が実験的に行われた他、アメリカ占領下における沖縄県の数自治体 (1957~1973)、三重県朝日町(1967~1971)で水道水フッ素化が行われましたがその後中止されています。三重県朝日町の場合は約4年とい う短い期間で終わりました。これはそのころ起こった兵庫県宝塚市の斑状歯(歯のフッ素症)問題の影響が大きいです。

◆フッ素ってなあに?
◇ フッ素とはハロゲン族元素のひとつで、著しい反応性をもっています。
  自然の状態では、フッ素は蛍石等の中に、フッ化カルシウムとして含まれており、ほとんど不溶性で安定しています。ここからフッ素を工業的に取り出す場合、 蛍石を砕いて硫酸をかけて分離します。化学大辞典によれば、フッ素は第2次世界大戦中ウランの製造に用いられ、新しい用途が開発されました。これは六フッ 化ウランで原爆の材料です。ウランをフッ素と結びつけた状態で濃縮し、最終的にフッ素は空気中にガスとして飛ばします。
 米国では、フッ素 ガスが公害問題になり、人が亡くなったり、家畜が死ぬなど大きな被害がでました。裁判の費用や補償の費用等、アルミニウム会社や関連会社に大きな負担が生 じました。アルミニウム会社の研究者コックスは1937年に、「フッ素は歯によいので水道水に添加するとよい。」と提唱しました。1945年に ディーンの主導により米国で水道水フッ素化が開始される6年前のことです。

◇フッ化物は大きく4つに分類されます。
 第1群はフッ化水素。非常に腐食性が強いです。
 第2群はフッ化水素酸、フッ化珪素酸などで、毒性が非常に強いです。
フッ化珪素酸は米国の水道水フッ素添加に最も用いられているフッ化物です。リン酸肥料を作る時にでる副産物で産業廃棄物です。そのまま処分することはできず、処分するには費用をかけて処理が必要です。水道水に添加すると廃棄処理の費用がかからないという側面があります。
 第3群はフッ化ナトリウム等です。これは学校で行っている集団フッ素洗口に用いられています。
フッ化ナトリウムも毒性が強く、昔は殺虫剤や殺鼠剤に使われていました。
 第4群は蛍石等でほとんど不溶性で毒性は低いです。
お茶や紅茶の葉にも200ppmくらい入っていますが、安定化しているのでお茶に解け出すのは1ppmくらいです。

◇「フッ素は自然のものだから安全」と言われることがありますが、エビや小魚、お茶などの食品に含まれているフッ素(フッ化カルシウム) とフッ化ナトリウムではからだに対する作用が異なります。
1934年に各種フッ化物の毒性比較を行った研究があります。(「産業と工業化学雑誌」“Industrial & Engineering Chemistry”)この時代はフッ化ナトリウムがヒ素に代わってネズミ退治に使われており、事故が多かったためです。
若いラットのエサに6種類のフッ化物を混ぜ毒性を試験しました。
その結果致死量ではフッ化ナトリウムはフッ化カルシウムの85倍の毒性がありました。
慢性中毒(歯フッ素症)ではフッ化ナトリウムはフッ化カルシウムの4倍の毒性がありました。
フッ化ナトリウムのほうがフッ化カルシウムに比べフッ素がイオン化しやすいためです。
フッ化ナトリウムは自然のフッ素(食品中に含まれるフッ素)と「まったく同じ作用」ではないのです。

◇昭和薬品工業の「化学物質等のコード」でフッ化ナトリウムについて見ると、経口による急性毒性はGHS分類の区分3に当たります。単回曝露では全身毒性(神経系、肝臓、心臓、腎臓)、反復曝露の場合は全身毒性(呼吸器、腎臓、神経系、心臓、歯、骨)と記されています。

◆フッ素って効くの?
◇1ppmとは100万分の1の濃度のことです。
 たとえば100cm四方の風呂の水に対し1cm角の砂糖1個を溶かすと濃度1ppmになります。
フッ 素濃度について見ると、水道水フッ素化は1ppm程度、フッ素スプレーは100ppm、学校等で行うフッ素洗口は毎日が225ppm、週1回が 900ppm、フッ素ジェルはもっと高く、歯磨剤では1000ppm、フッ素塗布は9000ppmです。フッ素塗布で急に顔が青くなる場合がありますが、 これは大体の場合急性中毒と思われます。
 
◇これまでフッ素によるむし歯予防効果は歯の形成時期におけるエナメル質への影響とみられてきましたが、実質的研究および疫学研究ではフッ素のむし歯予防効果は歯の萌出以後にあらわれるものであり、その作用は主に局所的な働きによる ものである、(1999年CDC発行のMMWR (週報))と報告されています。フッ素応用は一般に局所応用と全身応用に分けられていますが、ほとんど局所 的な働きのみなので、そういう分け方は本来おかしいのです。


◇一部の小学校等で行われているフッ素洗口の効果はどのくらいでしょうか。
  佐賀県の小学校はほぼ100%フッ素洗口が行われています。有明西小学校のデータが、フッ素洗口の効果を示すものとしてよく取り上げられます。有明西小学校では平成4年度からフッ素洗口を始めました。平成4年度と平成14年度を比較すると 1年生から6年生まで、各学年ともそれぞれむし歯本数が約半分に減少したことがデータで示されています。
一方、文部省(現文科省)の全国 データ「学校保健統計調査」の12歳児のデータを見ると、平成4年は4.17本、平成14年は2.28本です。有明西小学校の6年生(11~12歳)では 平成4年は4.19本、平成14年は2.11本です。有明西小学校では10年間で49,6%減少、全国では45.3%減少、この差は4.3%で誤差の範囲 です。つまりフッ素洗口の実施の有無にかかわらず日本では10年間でむし歯がほぼ半減しているのです。

◇WHOの資料(2004年)によると12歳児のむし歯有病状況はフッ素化している国でも、非フッ素化の国でも同様に減少しています。

◇日本では フッ素洗口の予防効果は50~80%、歯磨剤は20~30%と言われています。
しかしイギリスのコクランレポート(2002年から2003年にかけて世界の質の高い文献を集めて総括して判断した報告)によると、むし歯予防効果は、水道水フロリデーション、 フッ素洗口、歯みがき、フッ素塗布のそれぞれがすべて25%程度であると報告しています。
フッ素洗口とフッ素入り歯みがき剤を併用した場合の予防効果は、フッ素入り歯磨き剤だけの効果と比べて(DMFS=歯面数として)7%予防効果が高いという結果が出ました。しかし7%という値には統計上の優位性はありません。

◆フッ素って安全?
 アメリカのニューズウイーク誌は2015年3月10日「水道水フッ素化は注意欠陥多動性障害(ADHD)と強い関連がある」とする記事を掲載しました。
話題となった研究は、Ashley J MalinChristine Till(カナダのトロント市ヨーク大学精神科)による「フッ素化水への暴露とアメリカ合衆国の子供および青年のADHD出現率:その生態学的関連」という研究で、2015年2月27日に発表され、アメリカの政府系刊行物のEnvironmental Helthに掲載されました。

 また同誌は2015年2月24日に「水道水フッ素化は甲状腺機能低下のリスク増大に関与している可能性がある」との記事を掲載しています。これは 2015年2月24日、英国医学雑誌(British Medical Journal)出版発行の雑誌(Journal of Epidemiology and Community Health)に発表された論文「イギリスの飲料水中フッ素量は甲状腺機能低下症と関連がある? ―開業医の診断記録による大規模研究と飲料水中フッ素量―」 についての記事です。
 この研究は、飲料水中のフッ素濃度と甲状腺機能低下の初めての大規模調査であり、フッ素濃度が0.3ppm以上の地域では、甲状腺機能低下症の出現率が少なくとも30%以上多いことが発見されました。フッ素が甲状腺機能低下症と関連があるとする仮説は以前からありましたが、この仮説が大規模調査により裏づけられました。


(書きかけです。続きます。すみません。)









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