2013年12月30日月曜日

◆11.24講演会の報告(午後の部)

 お昼をはさんで、午後の部は4人の方の報告でした。

最初に 加藤純二氏(内科医)による「フッ化ナトリウム水溶液に対する過敏症/アレルギーの一症例」の報告がありました。

・一部の小学校等で集団フッ化物洗口が行われている。集団フッ化物洗口にはフッ化ナトリウム水溶液が用いられている。
・「フッ化物含有歯磨剤を使うと口腔内に知覚異常・味覚鈍磨がおこる」と言う化学物質過敏症の男性にフッ化ナトリウム水溶液のスクラッチテストを行ったところ陽性であった。
・上記の症例におけるフッ化ナトリウムに対する口腔内有害反応を、局所毒性、化学物質過敏症、アレルギー反応という三つの観点から考察した。
・飲料水にフッ化物を約1ppmの濃度で添加している米国では、公式には「アレルギーや不耐症」の存在を否定しているものの、「人工的フッ素化飲料水による病気」が多数報告され、フッ素が添加されていない飲料水に代えることにより、症状が劇的に改善・消失することが報告されている。
・本症例のように、低いフッ化ナトリウム濃度の洗口液や歯磨剤に含まれるフッ化物が、粘膜や皮膚に即時型のアレルギー反応に似た化学物質過敏症を引き起こす可能性があることが米国の「Hypersennsitive reaction(過敏性反応)」にも示されている。
・文部科学省の「フッ化物洗口マニュアル」Q&Aに、フッ化物洗口について「アレルギーの原因となることもありません。」と記されているが、アレルギーや化学物質過敏症を持つ人が多くなってきた 現在、注意の喚起が必要である。
等が報告されました。

次は、近藤武氏 (歯科医師)による「歯のフッ素症(斑状歯)」でした。

・斑状歯とは、永久歯の形成期(出生~10歳の間)に食品以外から、1㎎/日以上のフッ素を摂取することで、歯の形成細胞に障害がおこり萌出後の歯に色調の変化、欠損、硬度低下が起こることをいう。
・フッ素の摂取量 と斑状歯の発生率は正比例している。
水道水に含まれるフッ素が1㎎/ℓになると症状がはっきりした斑状歯が発生する。
・水道法における有害物質等の基準値は50~100倍の安全係数を基準にしている。しかしフッ素の場合安全係数は2倍でありこのことはわずかな管理ミスにより斑状歯が多発することを示している。
・フッ素を摂取しないからといって、むし歯が多発することはない。むし歯とフッ素の関係は疫学的には十分証明されていない。
等の報告がありました。

次は子どもの歯と健康を考える会から「吉川市のフッ素化問題についての報告」がありました。

・皆さまには、私たちの活動にご協力いただきありがとうございます。皆さまのお力をお借りして、ここまで活動を続けております。
・この3年間、フロリデーションについて何も知らなかった私たち主婦が、勉強し不安に思い、推進の方の学習会に参加し、一層不安に思い、他の市民の方にも知ってもらうように活動し署名を集めてきました。
・安全性や必要性に疑問を持ち、フロリデーションをやらないでほしいという市民は大勢います。
・市の環境団体も反対を表明しています。
歯科医師の有志の方たちが、意見書を市長に提出しました。
最近では吉川市PTA連合会が吉川市長に反対の意見を伝えました。
・署名用紙をお店に置いて下さった方、団体で協力くださった方、知人に声をかけて署名を集めてくださった方、駅頭やスーパーで署名してくださった方、多くの方に署名をいただき、私たちも勇気をもって署名活動を続けることができました。
・ 今年の8月に7557名の署名をそえて、吉川市長に要望書を提出しました。
・吉川市は依然として推進の立場です。
私たちの声は、吉川市に届いているのでしょうか。
・私たちは推進中止になるまで活動を続けます。
署名活動は今後も続けていきます。
・私たちが笑顔で暮らせる吉川市であるように、子どもたちの未来のために、みんなで一団となって、活動していきましょう。
等の報告がありました。

会場の参加者数人からフロリデーションに反対する意見や励ましの意見がありました。そうするうちに、次々に会場から発言を求める手があがりました。進行の都合で4人の方の報告を行った最後にまとめて質問と意見を受けることになりました。

最後に「秋田弁護士会の集団フッ素洗口に関する意見書」について、佐々木クミ氏(集団フッ素洗口を考える県民連絡会事務局)から報告がありました。

・集団フッ素洗口を考える県民連絡会は、2011年3月秋田弁護士会長に対し「日弁連が発した意見書をふまえ、フッ化物による集団洗口事業は凍結を含む再検討をすべき」との見解表明を要請しました。
・2013年3月秋田弁護士会が意見書をとりまとめました。
意見書の内容は「多くの保護者らが洗口事業への参加の可否を判断する唯一の判断材料となる配布資料には否定的意見(集団フッ素洗口は必要性、有効性がなく、危険 性の高いもの等)の存在が記載されておらず、自己決定権に十分配慮していたとは言い難い。保護者及び児童の自己決定権を侵害した疑いがある。」等が示されています。
・秋田弁護士会は意見書を県および県内全市町村に送付しました。一市から否定的見解も同意書に記載する旨回答がありました。
・秋田弁護士会の意見書は力強い支えとなっています。議会にも陳情し、フッ素洗口についての否定的な情報の提供を徹底させていきます。 実質的にこのフッ素洗口事業を中止させたいと思っています。
等の報告がありました。
 
このあと、会場の参加者の方たちから発言がありました。
・フロリデーション水の試飲やフッ素洗口に用いられるフッ化ナトリウムは劇薬である。この当たり前の認識が推進する学者や市に乏しい。「適量なら安全」と言っているが、「適量」には個人差がある。人為的ミスもあり得る。推進する学者や市の姿勢に危惧を覚える。
・フロリデーションの水が下水として川に排水されることの環境へのリスクは大きい。この側面からの反対も重要である。
・水道水フロリデーションは人権問題である。
・推進する学者には科学的なデータに基づいた理論がない。むしろ信仰に近いのではないか。だから議論がかみ合わない。
この他、吉川市の水道水フロリデーション反対の運動への応援の声もありました。
予定時刻を30分ほど延長し、熱い思いに包まれた中で会は終了しました。

 参加された皆さん、そして協力をしてくださった日本フッ素研究会の皆さん、ありがとうございました。
沖縄や北海道など遠方から参加された方もいらっしゃいました。
水道水フロリデーションは吉川市の問題だけど、決して吉川市だけの問題ではないということを認識しました。
運動はまだまだこれからです。市民の皆さん、そして全国の皆さんと一緒にフロリデーション推進中止に向かって進んでいきたいと思います。


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