2013年10月7日月曜日

◆7月の学習交流会の報告 推進派のチラシを読む

7月21日、学習交流会を行いました。

前半はミニ学習会、後半はフリートークを行いました。

ミニ学習会
 吉川市フロリデーション推進協議会発行のチラシ
「正しい理解で守れるみんなの健康 水道水フロリデーション」 を読む
チラシ 表

チラシ 裏


7月11日に健康増進課との懇談会がありました。
 http://kodomonohatokenkou.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html

「私たちの意見を『誤った情報』と言われていますが、私たちの情報の間違えているところを具体的に教えてください。」という質問をしました。その回答として、
「このチラシをお読みください。」と配られたのが上のチラシです。
(健康増進課長は吉川市フロリデーション推進協議会の顧問を務められています。)

このチラシを読み検討しました。

◆水道水フロリデーションでフッ素の取り過ぎの危険性?ありません  についての検討

チラシに「水道水フロリデーションでは、一生涯飲用してもフッ化物の取り過ぎにならないよう、水道法で認められた基準0.8ppm以下で濃度調整されていますから、健康に良い影響しか与えません。」と書いてあります。
 
①河川の水には地質由来のフッ素が微量に含まれているため、河川を源水とする水道水にもフッ素がわずかに含まれています。
吉川市の水道水のフッ素濃度は約0.1ppmです。これは日本の水道水の平均的な値とほぼ同じです。(※1ppmは百万分の1のことです。1ppmの濃度は1mg/リットルに相当します。)
水道水フロリデーションが実施されると、水道水にフッ化物が添加されフッ素濃度が0.8ppmに引き上げられるので、水道水から摂取するフッ素の量は通常の約8倍になります。

②  1970年代初めに兵庫県宝塚市で高濃度のフッ素が含まれた水道水(取水源の地下水や河川が原因)を給水してしまい、住民に斑状歯(歯フッ素症)の被害 が出ました。このときの最終報告は
0.4~0.5ppmで50%以上の斑状歯が発生している事実を重視し、「宝塚市における給水中の暫定管理基準フッ素濃度は.0.4~0.5ppmを上限とする。」としています。そして現在も毎月市の広報誌で水道水のフッ素濃度を公表しています。
これらを考えると、フッ化物を人為的に添加して0.8ppmまで引き上げるということは避けた方がよいと思います。

水道法における水質基準は、有害物質を除去する基準であって、添加する基準ではありません。有害物質は少なければ少ないほどよい、というのが水道法の発想です。この基準値をフッ素添加の安全性の根拠にするのは筋違いです。


◆水道水フロリデーションを中止した国がいくつもある? 新たな開始の方が多い についての検討

①フロリデーションの中止・開始の動きは国単位ではなく、自治体単位で見るべきでしょう。
また、フロリデーションの安全性が、中止した国(自治体)と開始した国(自治体)の数の多さで決まるわけでもありません。
中止した国(自治体)の理由に注目することが、安全を考える上で参考になると思います。

②中国広州市では1965年から水道水をフッ素化しましたが、1976年の調査でむし歯は63.9%から、27,5%に減りましたが、斑状歯が1.1%から47.2%に増えました。
1983年「害多く益少なし」という理由で水道水フッ素化が中止になりました。


◆吉川市は水道水フロリデーションの実験台? 健康づくりに役立ちます についての検討
チラシに「WHOを始め世界の150を超える医学・保健の専門機関が推奨し、既に効果と安全性が確立している方法ですから、吉川市民の健康づくりに役立つだけです。」と書いてあります。

WHOが総会で水道水フッ素化推進を決議したのは1969年です。

 1994年WHOのテクニカルレポート846「フッ化物と口腔保健」では、フッ素の過剰摂取についての懸念、フッ素洗口について6歳未満は禁忌など16項目を勧告しています。

WHOが、フッ素応用について、全面的推奨から制限付き推奨へと変わりつつある、その変化の方向に目を向けるとが大切ではないでしょうか。


◆日本では米軍基地以外フロリデーションをしていない? 誤りです についての検討


チラシに 「自然の状態で、むし歯予防に適正なフッ化物濃度の水源を利用している水道水が日本でも数か所あります。」と書いてあります。

私たちが問題にしているのは、人為的に水道水にフッ化物を添加することです。これは、現在、国内では米軍基地以外に行われていません。

②上のチラシにある、国内の数か所の地域の様子を知りたいです。詳しく教えてください。





◆水道水フロリデーションは環境汚染に繋がる? なりません  
についての検討

チラシに 「フッ化物濃度は土壌で280ppm、海水で1.3ppmなので0.8ppmのフロリデーション水が接した部分は薄まるだけです。」と書いてあります。

①海や土壌に雨がふったり、河川の水が海に流れ込んだり、このような自然の水循環の結果、フッ化物の濃度の平均が土壌で280ppmであり、海水で1.3ppmということです。ここに人為的にフッ化物を添加すれば、フッ化物濃度は高まります。
吉川市でフロリデーションを実施した場合、フッ化ナトリウムだと年間約11トン必要です。

海全体の平均濃度ではなく、フロリデーション水が河川に排水される流域や、河川が海へ注ぎ込む地点などの環境への影響を慎重に調べる必要があると思います。


② チラシに「自然界におけるフッ化物は輪廻しており、その総量は変わりません。」 と書いてあります。
 フッ化物は化合物なので、化学反応によって総量は変わりますが、フッ素は元素なので総量は変わりません。(放射性同位元素などの例外はあるものの、フッ素に限らず各元素の総量は、それぞれ一定です。 
この元素一般の基本的性質を述べても、環境汚染に繋がる?なりませんの説明にはなりません。何を示したいのか不明です。

フッ素がどういう状態でどこにあり、どんなふるまいをするか、調べることが大切だと思います。


◆赤ちゃんや子どもは大丈夫? 心配ありません
についての検討

2006年11月のアメリカ歯科医師会会報に「幼児が、水でといた粉ミルクを摂取することにより、過剰量のフッ化物に暴露される可能 性を指摘する研究がある」そして「もし粉ミルクをとくのなら、保護者はフッ化物の入っていない、あるいは低濃度の水の利用を考えるべきである」と記されています。
粉ミルクを溶かすのに適さない水道水は、年上の子どもにとってもよいはずはありません。日本の水道水は世界に誇れる品質です。もっと大切にしたいものです。



◆水道水フロリデーションは選べない?選べます 
についての検討

「フロリデーションされていない現在も水道水を利用するか否かを選べるように、フロリデーションされても利用するか否かを選べます。と書いてあります。
飲みたくない人は飲まなければよい、と言っているようです。健康増進課との懇談会でこの文章の意味をたずねると、「それは、誤解です。」との回答でした。確かに行政が水道水の公共性について理解していないはずはないので、「飲みたくない人は飲まなければよい。」と言うとは考えにくいことです。この文章はいったいどんな意味でしょうか。

「公共水道を通して歯や骨の健康が守りやすくなる生活環境にするか否かを地域のみんなで考えて選べます。」と書いてあります。
これは住民投票を行うということでしょうか。


◆水道水フロリデーションの必要性が極めて低い? 必要性は極めて高いです についての検討


①平成23年度学校保健統計調査では、12歳児の平均むし歯本数は、埼玉県で0.90本です。吉川市では0.56本です。これは、治療済みの歯も含めた本数です。
私たち親世代が子供だったころと比較にならないほどむし歯は減っています。

2000年にイギリスのヨーク大学で、水道水フロリデーションの安全性について、世界中から論文を集めて、再検討した研究報告書によれば、水道水フロリデーションによって子供のむし歯発症率は14.6%減るけれど、斑状歯は48%増えると報告されています。

水道水フロリデーションによってむし歯の発生がゼロになるわけではなく、約14,6%減少します。14.6%の減少のために水道水にフッ化物を添加しますか?

③フッ素はほとんどの歯磨き粉に含まれています。必要ならば、歯科医院で、フッ素塗布等の処置を受けることもできます。
フッ素を使いたい人も使いたくない人も、それぞれが納得できる常識的な方法がいくつもあるのに、なぜ公共の水にフッ化物を添加するという強制的な方法に力をいれるのでしょう。







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